同じ物件でも、利回り・手残り・所得はぜんぶ違う数字になります。この3つを混ぜて説明されると判断を誤ります。まず分けて見て、最後は純資産(バランスシート)で確かめます。
「毎月◯円の手残り」だけを見ると、元本返済で増えている純資産と、売却時にかかる税金の両方を見落とします。本ツールは売却まで通して計算します。
入力した内容はこの画面の中だけにあり、URLには自動で書き込みません。上のボタンを押したときだけ、入力内容を埋め込んだURLが作られてコピーされます(物件価格や借入額、家賃の金額も含まれますので、共有先にはご注意ください)。サーバーには何も送信されません。このページを閉じたり再読み込みすると、入力した内容は残りません。あとで開き直したいときは、上のボタンでURLをコピーして保存しておいてください。
物件の数字を入れる
物件広告(マイソク)や販売資料に載っている数字だけで入力できます。
諸費用とローンを入れる
前提を決める
わからなければ初期値のままで構いません。あとから動かして「どこまで耐えられるか」を見るための欄です。
もっと細かく設定する(売却費用・割引率)
この物件の「3つの数字」
同じ物件でも、見る角度によって数字はこれだけ変わります。どれか1つだけで判断しないでください。
お金の流れ(1年目)
不動産所得と税金の計算
上の「お金の流れ」は財布の増減、こちらは税金の計算です。ローン返済のうち経費になるのは利息だけ、減価償却費は現金が出ないのに経費、購入諸費用は初年度にまとめて経費、と入口が違うため、金額も一致しません。
減価償却と元本返済(デッドクロス)
棒が手残り、線が減価償却費とローン元本返済額です。元本返済は経費になりませんが、減価償却費は現金が出ないのに経費になります。元本が償却費を上回った年から、帳簿の黒字と財布の中身がずれ始めます。
出口(10年後に売ったとき)
保有期間トータルの成績
安全性のチェック
安全性の推移
左が返済の余裕(DCR)、右が借入比率(LTV)です。点線は判断のめやすで、DCRは1.3(安全圏)と1.0(物件の稼ぎだけでは返せない)、LTVは100%(売ってもローンが返せない)を示しています。
バランスシートの変化
毎月の手残りが小さくても、ローンの元本が減るぶん純資産は増えていきます。逆に、物件価格が下がると純資産は簡単に消えます。
こうなったら、どうなる?(ストレステスト)
前提を1つずつ悪くしたときの結果です。1つ崩れただけで赤字に落ちる物件は、余裕がありません。
年ごとの推移をみる
用語集|このツールに出てくる言葉(58語)
不動産投資の資料や販売会社の説明で使われる言葉を、このツールでの扱いとあわせてまとめています。
- 潜在総収入GPI / Gross Potential Income
- 満室で、滞納もなかった場合に得られるはずの年間収入。本ツールでは「家賃×12か月+更新料(2年に1度・貸主と管理会社で折半とみなして年0.25か月分)」で計算します。
- 空室・未回収損
- 空室になっている期間の家賃と、回収できなかった家賃。GPIに空室率を掛けて差し引きます。
- 実効総収入EGI / Effective Gross Income
- GPIから空室・未回収損を引いた、実際に入ってくる収入。
- 運営費Opex / Operating Expense
- 物件を貸し続けるためにかかる費用。本ツールでは建物管理費・修繕積立金・賃貸管理費・固定資産税を集計します。ローン返済は含みません。
- 営業純利益(純営業収益)NOI / Net Operating Income
- EGIから運営費を引いた、物件そのものが生み出す収入。借入条件に左右されないため、物件の力を比べるときの基準になります。
- 建物管理費
- 共用部分の清掃・点検などのために管理組合へ毎月払う費用。入居者ではなくオーナーの負担です。
- 修繕積立金
- 大規模修繕にそなえて管理組合へ積み立てるお金。築年数が進むと値上げされることが多く、長期修繕計画で予定を確認できます。
- 賃貸管理費(集金代行手数料)
- 入居者の募集や家賃の集金を代行する会社へ払う費用。家賃の3〜5%が一般的です。建物管理費とは別のものです。
- 更新料
- 賃貸借契約を更新するときに入居者が払うお金。地域差が大きく、首都圏では家賃1か月分・2年ごとが一般的で、管理会社と折半することが多いものです。
- 固定資産税・都市計画税
- 毎年1月1日の所有者に課税される税金。年の途中で買うと、引き渡し日を境に売主と日割りで精算します。
- 空室率
- 年間のうち空室だった割合。1戸だけの区分マンションでは「0%か100%か」ですが、長期平均としてならすために率で入れます。
- 自己資金E / Equity
- 購入総額のうち、自分で用意するお金。本ツールでは「物件価格+購入諸費用−借入額」です。頭金だけでなく諸費用の持ち出しも含みます。
- ローン残高LB / Loan Balance
- まだ返していない借入金の残り。返済が進むほど減り、そのぶん純資産が増えます。
- 年間負債支払額ADS / Annual Debt Service
- 1年間に払うローンの合計(元本+利息)。本ツールは元利均等・月払いで計算した毎月返済額を12倍しています。
- 元利均等返済
- 毎月の返済額を一定にする返し方。初めのうちは利息の割合が大きく、後半になるほど元本の割合が増えます。
- ローン定数K% / Loan Constant
- 年間返済額÷借入額。「借りたお金1円あたり、年にいくら返しているか」を表します。金利そのものより高くなるのは、元本返済が含まれるためです。
- 税引前キャッシュフローBTCF / Before Tax Cash Flow
- NOIから年間返済額を引いた、税金を考える前の手残り。
- 税引後キャッシュフローATCF / After Tax Cash Flow
- BTCFから所得税・住民税を引いた(赤字なら還付を足した)、最終的に財布に残るお金。本ツールの「毎月の手残り」はこれを12で割った額です。
- 団体信用生命保険(団信)
- 借りた人が亡くなった場合などにローン残高が保険で完済されるしくみ。本ツールの試算には含めていません。
- 表面利回り(グロス利回り)
- 年間家賃÷物件価格。運営費も諸費用も引いていないため実態より高く出ます。物件広告に載っているのはたいていこの数字です。
- 実質利回り(総収益率)FCR / Free and Clear Return
- NOI÷購入総額(物件価格+購入諸費用)。運営費と諸費用まで織り込んだ、物件本来の収益力を示します。表面利回りより1%以上低くなるのが普通です。
- キャップレート(還元利回り)Cap Rate
- NOI÷物件価格。市場がその物件に求める利回りで、これが上がると価格は下がります。本ツールは売却価格を「翌年のNOI÷キャップレート」で求める方式(収益還元法)を既定にしています。
- 自己資本配当率CCR / Cash on Cash Return
- BTCF÷自己資金。自分が出したお金に対する年間の利回りで、株式のROEに近い考え方です。
- 自己資本回収期間PB / Payback
- 自己資金÷BTCF。手残りだけで元手を回収するのにかかる年数(CCRの逆数)。区分マンションでは100年を超えることも珍しくありません。
- 内部収益率IRR / Internal Rate of Return
- 投資額と、その後に受け取るお金の現在価値がちょうど釣り合う割引率。「この投資は年利何%だったか」を1つの数字で表します。
- 税引後IRR
- 所得税・住民税と売却時の譲渡所得税まで差し引いたうえで計算したIRR。手取りベースの成績なので、投資信託などの利回りと比べるならこちらを使います。
- 正味現在価値NPV / Net Present Value
- 将来受け取るお金を割引率で現在の価値に直し、投じた自己資金を引いたもの。プラスなら、その割引率で運用するより有利という判定になります。
- 割引率
- NPVを計算するときに使う「同じお金を他で運用したら得られたはずの利回り」。高くするほど将来のお金の価値が小さく評価されます。
- レバレッジ判定
- 借入を使って自己資金の利回りが高まっているかの判定。CCR>FCR>K% ならPositive(効いている)、そうでなければNegative(借りたことで利回りが下がっている)です。
- 負債支払安全率DCR・DSCR / Debt Coverage Ratio
- NOI÷年間返済額。返済に対して物件の稼ぎがどれだけ上回っているかを示し、一般に1.3以上が安全圏とされます。1.0を割ると、稼ぎだけでは返済できません。
- 損益分岐点BE% / Breakeven Point
- (運営費+年間返済額)÷GPI。この割合まで収入が落ちると収支がゼロになります。「100%−BE%」が、耐えられる空室率のめやすです。
- ローン資産価値比率LTV / Loan To Value
- ローン残高÷物件評価額。高いほど自己資金が少なく、価格が少し下がっただけで「売ってもローンが返せない」状態に陥ります。
- 純資産
- 物件評価額+手元の現金−ローン残高。毎月の手残りが小さくても、元本返済が進むぶんは純資産として積み上がります。投資全体の成果はここで判断します。
- 不動産所得
- 不動産の収入から必要経費を引いた、税金の計算対象になる金額。ローン返済のうち経費になるのは利息だけで、元本は経費になりません。逆に減価償却費は現金が出ていかないのに経費になります。購入諸費用のうち必要経費にあたる分は初年度に計上するため、1年目だけ赤字が大きくなり、還付も大きくなります。2年目以降は続きません。
- 損益通算
- 不動産所得が赤字のとき、その赤字を給与所得などから差し引ける制度。所得税・住民税が減り、確定申告で還付を受けられます。
- 損益通算の特例措法41条の4
- 不動産所得の赤字のうち、土地等を買うための借入金の利子にあたる部分は損益通算できません。「なかったもの」とみなされ、翌年に繰り越すこともできません。土地と建物を一括で買った場合、借入はまず建物の代金に充てられたものとして計算できるので、借入額が建物価格以下なら影響はありません。逆に土地の割合が大きい物件ほど、赤字でも還付が出にくくなります。貸付けの規模は問いません。
- 減価償却費
- 建物の価値の目減りを、耐用年数にわたって毎年少しずつ経費にするもの。現金は出ていかないのに経費になるため、帳簿上の赤字をつくる主役になります。土地は対象になりません。
- 法定耐用年数
- 税法が定めた建物の使用可能年数。鉄筋コンクリート(RC・SRC)の住宅は47年、重量鉄骨34年、木造22年です。
- 簡便法
- 中古物件の償却年数の求め方。法定耐用年数を過ぎていなければ「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」、過ぎていれば「法定耐用年数×20%」(いずれも1年未満切り捨て・最短2年)です。
- 定額法・償却率
- 毎年同じ金額を償却する方法。「取得価額×償却率」で計算し、償却率は耐用年数省令の別表第八で定められています(例:29年なら0.035)。本ツールもこの表の値を使っています。
- デッドクロス
- 減価償却費がローンの元本返済額を下回り、帳簿上は黒字なのに手元にお金が残らなくなる状態。償却が終わる年に一気に訪れるため、事前に把握しておく必要があります。
- 限界税率
- 所得が1円増えたときにかかる税率。所得税は5〜45%の累進で、これに住民税10%が加わります。不動産所得の黒字・赤字はこの税率で効いてきます。
- 取得費
- 売却益を計算するときに差し引ける「買ったときの金額」。購入価格に諸費用の一部を加え、そこから保有中の減価償却累計額を差し引きます。償却を多く取るほど取得費は小さくなり、売却時の税金は増えます。
- 譲渡費用
- 売るためにかかった費用。仲介手数料、売買契約書の印紙代などが該当します。
- 譲渡所得
- 売却価格−譲渡費用−取得費。給与など他の所得とは合算せず、単独で課税されます(分離課税)。
- 短期譲渡所得
- 売った年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合の区分。税率は39.63%(所得税30.63%+住民税9%)です。
- 長期譲渡所得
- 売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合の区分。税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)に下がります。「買ってから5年」ではなく「1月1日基準」なので、実質は6年目以降です。
- 建物割合
- 購入価格のうち建物が占める割合。減価償却の対象になるのは建物だけなので、この割合が償却額を左右します。売買契約書に消費税額が書かれていれば、そこから逆算できます。
- オーナーチェンジ
- 入居者が住んだままの状態で所有者だけが変わる取引。すぐに家賃が入る一方、室内を見られず、現況家賃が相場より高いまま引き継ぐこともあります。
- 売主物件・仲介物件
- 売主物件は不動産業者が所有者で、そこから直接買う取引。仲介手数料はかかりませんが、交渉相手はプロです。仲介物件は業者が売主と買主をつなぐ取引で、仲介手数料がかかります。
- 仲介手数料
- 仲介物件で業者に払う報酬。上限は「物件価格の3%+6万円+消費税」(価格400万円超の場合)です。
- 購入諸費用
- 物件価格のほかにかかるお金。仲介手数料、不動産取得税、登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、収入印紙、ローン手数料、固定資産税の精算金などで、合計で物件価格の6〜7%程度が目安です。
- 不動産取得税
- 不動産を取得したときに一度だけかかる都道府県税。取得の半年〜1年後に納税通知が届きます。課税標準は購入価格ではなく固定資産税評価額で、投資用のワンルーム(床面積40㎡未満)は住宅用の軽減措置の対象外になることが多い点に注意が必要です。
- 登録免許税
- 所有権移転や抵当権設定の登記にかかる国税。これに司法書士への報酬が加わったものが「登記費用」です。
- 印紙税
- 売買契約書や金銭消費貸借契約書に収入印紙を貼って納める税金。売買契約書には記載金額に応じた軽減措置があります。
- ローン事務手数料・保証料
- 融資を受けるために金融機関へ払う費用。借入額の2.2%程度の定率型と、3〜5万円程度の定額型があります。売却時の取得費には算入できず、必要経費として扱います。
- 管理組合
- マンションの区分所有者全員でつくる団体。管理費と修繕積立金を集め、建物全体の維持を行います。この積立の状況が、将来の値上げリスクを左右します。
- 新耐震基準
- 1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用される耐震基準。融資や売却のしやすさにも影響します。
※ 税率・制度は令和8年(2026年)時点のものです。個別の取り扱いは税務署や税理士にご確認ください。