1このツールでできること
退職後などに、まとまった資産を運用しながら毎月取り崩していくと、資産残高がどう推移するかを試算するツールです。
「毎月◯万円使うと何年もつか」「◯年で使い切るには毎月いくらか」「運用利回りが変わると結果はどう変わるか」といった疑問に、表とグラフで答えます。
- 5つの取り崩し方法に対応(定額・定率・年数逆算・期間指定の均等口数・組み合わせ)。
- 取り崩しながら残った資産は、設定した運用利回り(毎月複利)で運用するものとして計算します。
- 途中で金額や率を変える「期間ごとの設定」に対応(例:はじめの10年は多め、その後は控えめ)。
- 定額(金額指定)では、期間ごとに「増減率(%/年)」を設定でき、インフレなどに合わせて取り崩し額を毎年増減させられます(マイナス%も設定可・初期値0%)。
- 「組み合わせ」では、期間(ステージ)ごとに方式を切り替えられます(例:当初10年は定率 → 次の15年は定額 → 最後は残高を使い切り。最大5ステージ)。
- 運用利回り感応度分析で、利回りが上下したときの結果の幅を確認できます。
- 取り崩し開始年齢を入れると、グラフや表に年齢を併記します。
⚠️ 本ツールは運用利回りを一定と仮定した概算です。実際の相場は変動し、特に取り崩し期には資産の減りが想定より早まる可能性があります(収益率配列のリスク)。将来の成果を保証するものではありません。
2クイックスタート(3ステップ)
まずは動かして雰囲気をつかむのが一番です。入力するとその場で自動計算され、結果が下に表示されます。
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「サンプルを入力」ボタンを押す
当初1,000万円などの一例が、選択中の取り崩し方法はそのままで入力され、結果が表示されます。タブを切り替えると、各方法のサンプル値がそれぞれ入っています。まずはこれで全体像を確認しましょう。
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ご自身の数字に置き換える
「① 当初の資産残高」「② 運用利回り」を入力し、「③ 取り崩し方法」のタブを選んで金額や率を入れます。入力するたびに結果が更新されます。
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結果を読む
上部のカードで「何年もつか/使い切る額」を確認し、グラフで残高の推移を、感応度分析で利回りが変わった場合の幅をチェックします。最初からやり直すときは「クリア」。
3入力項目の詳細
① 当初の資産残高必須
取り崩しを始める時点の資産額を万円で入力します。ここを起点に、毎月の取り崩しと運用を計算します。
② 運用利回り(年率)必須
取り崩したあとに残った資産を運用する年率(%)です。取り崩しながらでも、残った分はこの利回りで毎月複利運用されるものとして計算します。
💡 年率は実効年利として扱い、月利=(1+年率)^(1/12)−1 に換算します。例えば年率5%なら、12か月でちょうど5%になります。
③ 取り崩し方法必須
「定額/定率/期間指定/組み合わせ」の4タブから選びます。「定額」の中はさらに
「毎月の金額を指定」と
「取り崩し年数を指定(逆算)」の2モードに分かれます。詳しくは
④ 取り崩し方法の選び方 を参照してください。
④ 取り崩し開始年齢任意
入力すると、グラフや表の「◯年目」に年齢を併記します(例:開始60歳なら40年目=100歳)。空欄でも計算に影響はありません。
⑤ 表示年数(最長)任意
取り崩し額が小さく資産が尽きない場合や定率取り崩しでは、グラフ・表をこの年数まで表示し、結果もこの年数の時点で判定します。設定した期間がこの年数を超える場合は、その期間の終端まで自動で延長します(初期値は40年)。
4取り崩し方法の選び方
5つの方法の違いを、まず一覧で確認しましょう。
定額(金額指定)
毎月いくら取り崩すかを指定し、資産が
何年もつかを計算します。金額は「期間ごとの設定」で途中変更でき、各期間には
「増減率(%/年)」も設定できます。増減率を入れると、その期間の毎月額を期首(その期間の初年)の基準額として、期間内で毎年その率で複利増減させられます(物価上昇に備えるなら+、支出を年々減らす想定なら−も可)。
定額(取り崩し年数を指定=逆算)
取り崩す年数を指定すると、その年数でちょうど使い切る
毎月の取り崩し額を逆算します。「◯年で使い切るなら毎月いくらか」を知りたいときに。
定率
毎月、その時点の残高に一定割合(年率)を掛けた額を取り崩します(毎月は「残高 × 率 ÷ 12」)。残高に連動するため取り崩し額は毎月変わり、理論上は資産がゼロになりません。率は期間ごとに変更できます。
期間指定(均等口数)
期間を指定し、毎月「総口数 ÷ 総月数」の
同じ口数を売却します。基準価額の上昇に伴い取り崩し額(円)は徐々に増え、期間終了時にちょうどゼロになります。
組み合わせ(期間別に方式を変更)
期間(ステージ)ごとに取り崩し方式を切り替えます(最大5ステージ)。例:当初10年は
定率で相場に合わせて柔軟に → 次の15年は
定額で安定的に → 最後は残高を
使い切り。使い切り型(定額・均等口数)は最終ステージのみ選択できます。詳しくは
⑥ 組み合わせ(ステージ設定) を参照してください。
5期間ごとの設定(フェーズ機能)
「定額(金額指定)」と「定率」では、途中で金額や率を変えられます。「+ 期間を追加」を押すと行が増え、「◯年目〜◯年目は毎月△万円」のように段階的に設定できます。途中で方式そのものを切り替えたい場合は「組み合わせ」タブを使います(⑥ 参照)。
ルール
- 開始年が空欄のときは1年目から、終了年が空欄のときは最終年(表示年数)までとして扱います。
- 期間が重なった場合は、後の行(下の行)が優先されます。
- どの期間にも入らない年は、取り崩し0として計算します。
- 行を消すときは右端の「×」を押します。
設定例(定額・金額指定):「1年目〜10年目は毎月5万円、11年目〜は毎月4万円」。旅行や住宅リフォームなど、リタイア直後の"アクティブ期"は多めに、その後は控えめに、といった現実的な取り崩しを表現できます。
増減率(インフレ調整など/定額・金額指定のみ)
定額(金額指定)の各期間には、毎月の金額の右に「増減率(%/年)」を設定できます。増減率は、その期間の毎月額を期首(その期間の初年)の基準額とし、期間内で毎年その率で複利増減させます。初期値は0%(増減なし)です。
- 物価上昇(インフレ)に合わせて取り崩し額を増やしたいときは+(例:2)。生活費の実質価値を保ちやすくなります。
- 加齢とともに支出を抑える想定ならマイナス(例:−1)も設定できます。
- 増減率は期間ごとに別々に設定できます(例:前半は+2%、後半は−1%)。期間が変わると、その期の毎月額を新たな期首基準として計算し直すため、変わり目で段差が出ることがあります。
- 0または空欄のときは増減なし(毎月定額)で、従来どおり計算します。
増減の効果:取り崩し額が年々増える+の設定では資産の減りが早まり資産寿命は短くなります。逆にマイナスの設定では取り崩し額が年々小さくなり資産寿命は延びやすくなります。感応度分析や年次テーブルで、増減率を変えたときの違いを見比べてみてください。
6組み合わせ取り崩し(ステージ設定)
「組み合わせ」タブでは、取り崩し期間をいくつかのステージに分け、ステージごとに方式(定額・定率・使い切り型)を切り替えられます。ステージは上から順に適用され、最大5つまで設定できます。
各ステージで設定すること
- 年数:そのステージを何年続けるか。通算の「◯〜◯年目」は行の左に自動表示されます。
- 方式:定額(毎月の金額・増減率)/定率(年率)/定額(使い切り)/均等口数(使い切り)から選択。
ルール
- 使い切り型(定額・均等口数)は最終ステージのみ選択できます。「+ ステージを追加」を押すと、新しいステージは使い切り型の手前に挿入され、使い切り型が最終のまま保たれます。
- 使い切り型は、そのステージ開始時点の残高から、毎月の取り崩し額(または口数)を自動で逆算します。金額の入力は不要です。
- 最終ステージの年数を空欄にすると「以後ずっと」として、表示年数まで計算します。最終が使い切り型の場合は、表示年数まででちょうど使い切る計算になります。
- 定額ステージの増減率は、そのステージの初年を基準に毎年複利で増減します(ステージが変わると基準がリセットされます)。
- ステージの合計年数が表示年数を超える場合は、その終端まで自動で延長します(全体で最長100年)。
- 途中のステージで資産が尽きた場合、それ以降のステージには到達しません(結果のステージ別サマリーに表示されます)。
設定例(サンプル):①1〜10年目は定率6%で相場に合わせて柔軟に → ②11〜25年目は定額4万円/月で安定的に → ③26年目以降(以後ずっと)は定額(使い切り)で残高を計画的にゼロへ。リタイア前半・中盤・後半で取り崩しの考え方を変える、実務でよくある形を1回の試算で表現できます。
7結果の見方
結果カード(KPI)と内訳テーブル
「当初残高」「取り崩し額」「結果」の3枚を、選んだ方法に合わせて表示します。定額(金額指定)なら何年もつか、逆算・期間指定なら毎月の取り崩し額、定率なら最終残高、組み合わせならステージ構成と使い切り・枯渇の判定などが要点として出ます。その下の内訳テーブルで、累計取り崩し額や累計運用益を確認できます。
資産推移グラフ
年末残高(面)と累計取り崩し額(線)の推移を示します。残高がいつ底をつくか、あるいは尽きずに残るかが一目でわかります。組み合わせでは、ステージの境界が点線と「①定率」などのラベルで示されます。
毎年の取り崩し額
1年あたりの取り崩し額を棒グラフで表示します。定率や均等口数では取り崩し額が年々変化するため、その動きを確認するのに役立ちます。組み合わせでは、ステージの変わり目で取り崩し額の水準がどう変わるかを確認できます。
運用利回り感応度分析
取り崩し条件を固定したまま、運用利回りだけを変えた場合の結果を一覧・グラフで示します。実際の利回りは変動するので、単一の数字ではなく幅(レンジ)として結果をとらえるための材料です。
年次推移テーブル
各年末時点の「取り崩し額」「運用益」「年末残高」「累計取り崩し」を1年ごとに表示します。開始年齢を入力していれば年齢も併記されます。細かな推移を数字で追いたいときに。
ステージ別サマリー(組み合わせのみ)
ステージごとの開始時残高・取り崩し累計・期末残高を一覧します。使い切り型ステージでは逆算された毎月額も表示。途中で資産が尽きる場合は、そのステージに警告が表示されます。
8計算の前提と注意点
- 計算の流れ:毎月、月初に取り崩し → 残った資産をその月運用、として年末時点の残高を集計します。
- 運用利回りは実効年利として扱い、月利=(1+年率)^(1/12)−1 に換算します(年率5%なら12か月でちょうど5%)。
- 税金は考慮していません(運用益・売却益への課税は含みません)。NISA・iDeCo等の非課税口座からの取り崩しを想定する場合、売却益は非課税となります。
- 手数料・コストは考慮していません(購入時手数料・信託報酬等)。
- 金額は万円未満を四捨五入して表示します。計画的に使い切る方式では、丸め残りをゼロとして表示することがあります。
- 組み合わせの使い切り型ステージは、そのステージ開始時点の残高と設定利回りを前提に毎月額(口数)を逆算します。利回りの前提が変われば逆算額も変わります(感応度分析で確認できます)。
- 利回りを一定と仮定した概算です。実際の相場変動、特に取り崩し初期の下落は結果に大きく影響します(収益率配列のリスク)。
⚠️ 本ツールの結果は将来の運用成果や資産寿命を保証するものではありません。具体的な取り崩し計画は、税制・社会保険・ご家庭の状況を踏まえてご検討ください。
9よくある質問
「定額(金額指定)」で資産が尽きないときはどう表示されますか?
取り崩し額より運用益が上回ると資産は尽きません。その場合は「⑤ 表示年数」の時点までグラフ・表を描き、その年数時点の残高で結果を判定します。もっと長い期間を見たいときは表示年数を大きくしてください。
「定率」だと資産がゼロにならないのはなぜ?
定率は毎月「残高 × 率」を取り崩すため、残高が減れば取り崩し額も自動的に減ります。理論上は残高がゼロに収束せず、資産寿命が長くなりやすいのが特徴です。ただし1回あたりの取り崩し額が年々小さくなる点には注意が必要です。
「毎月の金額」と「取り崩し年数(逆算)」はどう使い分けますか?
使う額が先に決まっているなら金額指定(→何年もつかを確認)。使い切りたい年数が先に決まっているなら年数指定(→毎月の上限額を逆算)。どちらも「定額」タブの中で切り替えられます。
途中で取り崩し額を変えたい(例:最初の数年だけ多め)
「定額(金額指定)」または「定率」で「+ 期間を追加」を押し、行ごとに期間と金額(率)を設定してください(
⑤ 参照)。金額や率だけでなく
方式そのものを途中で変えたい場合は「組み合わせ」タブを使います(
⑥ 参照)。
インフレ(物価上昇)に合わせて取り崩し額を増やせますか?
「定額(金額指定)」の各期間にある
「増減率(%/年)」に、想定するインフレ率(例:2)を入力してください。その期間の毎月額を期首(その期間の初年)の基準額として、期間内で毎年その率で複利増減します。反対に、加齢とともに支出を減らす想定なら
マイナス(例:−1)も設定できます。増減率は
期間ごとに別々に設定でき、初期値は0%(増減なし)です。取り崩し額が増える設定では資産寿命は短く、減る設定では長くなりやすくなります。詳しくは
⑤ 期間ごとの設定 を参照。
「最初は定率、最後は使い切り」のように途中で方式を変えられますか?
「組み合わせ」タブでできます。期間を
ステージに分け、ステージごとに定額・定率・使い切り型を選択します(最大5ステージ)。使い切り型は最終ステージのみで、そのステージ開始時点の残高から毎月額を自動で逆算します。詳しくは
⑥ 組み合わせ(ステージ設定) を参照。
組み合わせで最終ステージの年数を空欄にするとどうなりますか?
「以後ずっと」として、表示年数まで計算します。最終ステージが定額・定率なら表示年数までそのまま続け、使い切り型なら表示年数まででちょうど使い切るよう毎月額を逆算します。もっと長く見たいときは「⑤ 表示年数」を大きくしてください。
年齢を入れると何が変わりますか?
計算そのものは変わりません。グラフや表の「◯年目」にそのときの年齢が併記され、「何歳まで資産がもつか」を直感的に把握しやすくなります。
税金や手数料も含めて計算できますか?
本ツールは税・手数料を含めていません。課税口座では売却益に約20%の税がかかるため、実際の手取りは表示より少なくなります。NISA・iDeCo等の非課税口座を想定する場合は、そのまま非課税として読み取れます。
準備ができたら、シミュレーターで実際に試算してみましょう。
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資産形成ハンドブック(shisankeisei.jp)/株式会社ウェルスペント。本マニュアルおよびシミュレーターの内容は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や投資助言を行うものではありません。