家計を会社の決算書のように見ます。持っているもの(資産)から返すもの(負債)を引いた残りが純資産。 さらに、資産が生む利回りと借入の金利を比べると、いまの家計が純資産をどれくらいのスピードで増やしているかが見えます。
利回りは「1年あたりどれくらい増えると見込むか」の前提値です。比べるときは、資産の利回りを税引後(課税口座は20.315%を差し引き)、借入を住宅ローン控除を反映した実質金利にそろえています。株式・投資信託の初期値はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が公表する期待リターンを使っていますが、実際の運用成果は毎年上下します。
種類を選ぶと利回りの初期値が入ります。実際の商品に合わせて書き換えてください。口座区分は税引後の利回りを出すために使います。
計算に含めていません
自宅は「家賃を払わずに住めている」こと自体が価値を生みます。仮に同じ家を借りたらいくらかを入れることで、自宅の利回りを計算します。
この考え方を「帰属家賃」といいます。同じ家に住んでいるのに、賃貸と持ち家で何が違うのかを図にしました。 図で見る図をとじる▼
同じ家に、同じように住んでいます。違うのは、賃貸の方が毎月15万円を大家さんに払っているのに対し、持ち家の方は払っていないという点だけです。 この「払わずに済んでいる 年180万円」を、自宅という資産が生んだ収益とみなすのが帰属家賃の考え方です。 ここから維持費(固定資産税・修繕費・保険料など)を引いた残りが、自宅の実質的な利回りになります。
この見方をしないと、持ち家の方は自宅という大きな資産を持ちながら、そこからの収益がゼロと数えられてしまいます。 賃貸の方と同じものさしで比べるために、このツールの「総合」では帰属家賃を含めて計算しています。 ぴんと来ない場合は、上の「金融資産のみ」に切り替えると、自宅と住宅ローンの両方を外して見ることもできます。
控除の残り年数が分からないときは、入居した年から計算できます。 入居年から計算するとじる▼
控除は入居した年から数えます(2020年に入居して13年なら、2020年分〜2032年分まで)。 令和8年(2026年)時点の制度では、新築・買取再販が13年、既存住宅(中古)は省エネ基準に適合すれば13年、しなければ10年です。 令和6年・令和7年に入居した省エネ基準を満たさない新築のように、そもそも控除の対象外(0年)になる場合もあります。 正確な期間は、確定申告の際の書類や年末調整の控除証明書でご確認ください。
いま残っている借入の残高と金利を入れてください。種類を選ぶと金利の目安が入ります。残り年数(完済まであと何年か)は任意ですが、入れると「生涯」タブの推移の図で返済によって減っていく形が描けます。
「生涯のバランスシート」タブの「毎月の生活費」は住居費を除いた額で、こことは別の欄です。
ここから下は、上で入力した内容にもとづく結果です。入力を変えると自動で更新されます。
くわしく見るとじる▼
変動金利は、いまの水準が続く保証がありません。いまの残高のまま金利だけが上がった場合に、借入のコストと純資産の利回りがどう動くかを並べます。
| 金利の上昇幅 | 借入のコスト | 純資産の利回り | 年間の利息 | 毎月の返済額 |
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| 項目 | 金額 | 利回り |
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いまのバランスシートは、手元にあるものだけを並べたものでした。ここではこれから稼ぐお金(人的資本)、これから受け取る年金、これから使うお金を、それぞれ現在の価値に換算して同じ表に載せます。 働いて得る力も、これから必要になる生活費も、金額に直せばバランスシートに乗ります。
(これから入るお金)
(これから出るお金)
数十年先までの前提を置いた粗い試算です。特に将来のお金をどう数えるかで金額は大きく動きます。結果の絶対値ではなく、資産の内訳がどうなっているか、前提を変えると何がどう動くかを見るための図としてお使いください。
金額を直すときはいまのバランスシートに戻って編集してください。発展編では実物資産と住宅ローンを必ず含めて計算します(生涯の住居費と対応させるため)。
「いまのバランスシート」タブの「毎月の支出」は住居費込みで、こことは別の欄です。
割引率の前提上級者向け
クリックして開く・変更する閉じる▼
将来のお金を「いまの価値」に直すときの年率です。すべて実質ベース(物価上昇を差し引いたあと)で置いています。働き方を選ぶと自動で入りますが、ここで直接書き換えることもできます。
ここから下は、上で入力した内容にもとづく結果です。数十年先までの前提を置いた粗い試算です。
人的資本の割引率だけを振ったときの金額です。前提の置き方で結果が動くことを確かめるための表で、どれが正しいというものではありません。
| 人的資本の割引率 | 人的資本 | 経済的純資産 |
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| 項目 | 現在価値 | 前提 |
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このツールに出てくる言葉を、専門用語をなるべく使わずにまとめました。分からない言葉が出てきたら、ここに戻ってきてください。
「バランスシート」「純資産」「帰属家賃」など、15語を説明しています。 用語集をひらく用語集をとじる▼
- バランスシート
- 持っているもの(資産)と、返す必要のあるもの(負債)を左右に並べた一覧表のことです。もともとは会社の決算書で使われる形式ですが、家計にあてはめると「いま何を持っていて、どれだけ借りていて、正味いくらなのか」がひと目で分かります。毎月の収入と支出を追う家計簿が「動き」を見るものだとすれば、バランスシートはある一日を切り取った「残高」を見るものです。両方そろってはじめて、家計の全体像がつかめます。
- 資産
- 持っているものの合計です。現預金や投資信託のようにすぐ現金にできる金融資産と、自宅や自動車のように売らないと現金にならない実物資産に分かれます。このツールでは、iDeCo・企業型DCのように原則60歳まで引き出せないものも、図の上で斜線をつけて区別しています。金額としては資産でも、いざというときに使えるかどうかは別の話だからです。
- 負債
- 返す必要のあるお金の残高です。住宅ローン・自動車ローン・奨学金・カードローンなどが該当します。ここで入れるのは毎月の返済額ではなく、残っている元本の合計です。なお、負債そのものが悪いわけではありません。金利より高い利回りで運用できていれば差はプラスになりますし、住宅ローンのように長期・低金利で借りられるものは、上手に付き合う対象だと考えています。
- 純資産
- 資産から負債を引いた、正味の財産です。いま持っているものをすべて売って借金をすべて返したら、手元にいくら残るかと考えると分かりやすいと思います。資産がいくら大きくても、それが借入で作られたものであれば純資産は増えません。資産形成というのは、この純資産を厚くしていくことだと言い換えられます。
- 自己資本比率
- 総資産のうち、純資産が占める割合です。純資産2,670万円 ÷ 総資産5,550万円 なら48.1%になります。低いほど借入への依存が大きいことを意味しますが、数字だけで良し悪しは決まりません。住宅を買った直後は誰でも低くなりますし、そこから返済とともに上がっていくのが自然な姿です。同じ20%でも、35歳の住宅取得直後と65歳とでは意味がまったく違います。
- レバレッジ
- 借入を使って、自分のお金より大きな資産を動かしている状態のことです。総資産が純資産の何倍かで表します。純資産1,000万円で総資産3,000万円なら3倍です。倍率が上がるほど、増えるときも減るときも同じ倍率で効きます。利回りが高く出ていても、それは腕がよいからではなくリスクを取った結果だという読み方をしておくと安全だと考えています。
- 帰属家賃
- 持ち家に住んでいる人が、「家賃を払わずに済んでいる」ぶんの金額のことです。同じ家を借りたら月15万円かかるとすれば、持ち家の人は年180万円ぶん得をしていることになります。これを自宅という資産が生んでいる収益とみなすのが、このツールの「総合」の考え方です。ここから維持費(固定資産税・修繕費・保険料など)を引いた残りが、自宅の実質的な利回りになります。
- 税引後利回り
- 運用で得た利益から税金を引いたあとの利回りです。課税口座では、利益に20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)がかかります。利回り5%なら、手元に残るのは約3.99%です。NISAやiDeCoではこれがかからないため、同じ商品でも口座によって手取りの利回りが変わります。借入の金利と比べるときは、この税引後にそろえないと公平な比較になりません。
- 実質金利
- 住宅ローン控除を反映したあとの、実際に負担している金利です。住宅ローン控除は年末残高の0.7%が税金から差し引かれる仕組みなので、金利1.0%のローンでも、控除が続いている間の実質的な負担は0.3%まで下がります。ただし控除には期限があります。控除が終わればもとの1.0%に戻りますので、その時期を意識しておくとよいでしょう。
- 名目と実質
- 名目は表面上の金額、実質は物価の上昇を差し引いたあとの「買えるものの量」で見た金額です。年3%で運用できても物価が年2%上がっていれば、買えるものは年1%しか増えていません。逆に現預金は金額が減らなくても、物価が上がる局面では持っているだけで買えるものが減っていきます。資産形成では、この実質のほうを見ておく必要があると考えています。
- 割引率
- 将来のお金を、いまの価値に直すときに使う率です。同じ100万円でも、いますぐ受け取れるのと30年後に受け取れるのとでは価値が違います。この差を調整するのが割引率で、率が高いほど、遠い将来のお金は小さく評価されます。このツールの発展編では、「かんたん」を選ぶと割引率0%(将来のお金もそのままの金額で合計する)、「くわしい」を選ぶと確実性に応じた率を使い分けます。
- 人的資本
- これから働いて稼ぐ収入の合計を、いまの価値に直したものです。若い方ほど大きく、引退が近づくほどゼロに向かって減っていきます。多くの人にとって人生でいちばん大きな資産は、いま持っているお金ではなくこれから稼ぐ力です。ただし売ることも担保に入れることもできませんし、働けなくなれば失われます。生命保険や就業不能保険で備える金額は、ここから考えるのが筋道だと考えています。
- 生涯支出債務
- これから生きていくのにかかる生活費の合計を、いまの価値に直したものです。会計上の負債ではありませんが、「将来かならず出ていくお金」という点では借金と同じ性質を持つため、発展編のバランスシートでは負債側に置いています。人的資本や年金と並べることで、一生涯で見たときに収支が足りているかを確かめられます。
- 生活防衛資金
- 失業・病気・急な出費に備えて、すぐ引き出せる形で手元に置いておくお金です。目安は生活費の6か月分ですが、会社員か自営業か、共働きかどうかで必要な厚みは変わります。ここが薄いうちは、投資や繰上返済より先に埋めることをおすすめします。相場が下がったときに生活費のために売らざるを得なくなる、という事態を避けるための備えでもあります。
- 繰上返済
- 毎月の返済とは別に、まとまった額を返して元本を減らすことです。減らした元本にかかるはずだった利息が、そのまま手元に残ります。判断するときに大事なのは、比べる相手を「資産全体の平均利回り」ではなく「実際に取り崩す資産の利回り」にすることです。誰も資産を按分して売ったりはせず、いちばん利回りの低いものから取り崩すからです。平均には期待リターンの高い商品も混ざるため、平均で判断するとハードルが実際より高く出てしまいます。
わかりやすさを優先しているため、専門的には厳密でない表現も含まれています。制度の詳細は、出典・前提に挙げた公的機関のページをご確認ください。
期待リターン・税率・住宅ローン控除などの出典と、本ツールが目安として置いた前提(診断のしきい値や仮置きの利回りなど)をまとめています。 出典・前提をひらく出典・前提をとじる▼
期待リターンの初期値:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「第5期中期目標期間における基本ポートフォリオについて(詳細)」(2025年3月)、「基本ポートフォリオの考え方」。国内債券1.6%・外国債券3.3%・国内株式5.9%・外国株式6.5%は、同資料の「成長型経済移行・継続ケース」と「過去30年投影ケース」の単純平均です。バランス型(4資産均等)4.3%はこの4つの平均、全世界株式6.5%は外国株式と同じ値を置いています。いずれも名目ベースです。
運用益への税率:20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)は国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」によります。NISAは金融庁「NISA特設ウェブサイト」、iDeCo・企業型DCはiDeCo公式サイトをご参照ください(iDeCoは運用中が非課税で、受け取り時に退職所得控除・公的年金等控除の範囲で課税されます)。
住宅ローン控除:控除率0.7%は国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」によります。本ツールは「金利 − 0.7%」で実質金利を簡便に出しており、実際の控除額は年末残高・借入限度額・所得税額などによって変わります。
借入金利の初期値:教育ローン4.05%は日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」、奨学金(第二種)は日本学生支援機構(JASSO)「奨学金」の水準を目安にしています。いずれも改定されるため、実際の適用金利は各機関の最新情報をご確認ください。
物価上昇率の初期値:2.0%は日本銀行「2%の『物価安定の目標』」に合わせた置き方です。「実質ベース」の欄と「生涯のバランスシート」タブは、この率を差し引いた値で計算しています。
このページで使っている言葉の意味は、上の「用語集」にまとめています。分からない言葉が出てきたら、そちらもあわせてご覧ください。
金額の入力欄はすべて万円単位です。カンマ(1,000)や全角の数字(1000)を打っても同じ値として読み取り、欄を離れたときに3桁ごとのカンマを付けて整えます。
毎月の返済額は、住宅ローンの残高・契約上の金利・残りの返済期間から、元利均等返済・ボーナス返済なしで計算した概算です(住宅ローン控除は税金が戻る仕組みで引き落とし額そのものは変わらないため、この計算だけは実質金利ではなく契約上の金利を使っています)。金利が上がったあとの額は「その時点で組み直したらいくらか」を示すもので、変動金利の5年ルール・125%ルールによる据え置きは反映していません。
以下は本ツールが目安として置いた値で、公的な出典があるものではありません。
- 資産の利回り:現預金0.4%/貯蓄型保険0.5%/自動車 −15%/投資用不動産4.0%
- 借入の金利:住宅ローン 変動1.0%・全期間固定3.0%/自動車ローン3.0%/カードローン10.0%/リボ払い15.0%/そのほかの借入2.0%
- 自宅の仮置き:家賃が空欄のときは評価額の年3.5%、維持費が空欄のときは年1.2%(いずれも入力があればそちらを優先)
- 診断のしきい値:生活防衛資金は毎月の支出6か月分/現預金のかたよりは毎月の支出24か月超かつ金融資産の50%超/「まっさきに返したい借入」は資産の税引後利回り+5ポイント以上/「資産の利回りを上回る金利」は平均利回りとの比較に加えて、取り崩し候補のうちいちばん低い利回りが借入金利以上のときは対象にしません(限界ベースの考え方を優先)/「返済にあてられる低利回りの資産」は取り崩せる資産の利回りが借入金利を下回り、かつ返済額10万円以上・差引の効果が年5,000円以上/レバレッジの注意は3倍以上
- 繰上返済の効果の目安:比較の相手は資産全体の平均利回りではなく、原資として実際に取り崩す資産の利回りです(生活防衛資金を超える現預金や、借入金利を下回る利回りの金融資産を、利回りの低い順に、金利の高い借入から充てるものとして計算しています)。iDeCo・企業型DCは原則60歳まで引き出せないため、原資の候補から外しています。自宅・自動車などの実物資産も同様に外しています(バランスシートの図でも、この2つは斜線の区画として分けて表示しています)。「住宅ローンを急いで返す必要はありません」の判定・効果額も同じ考え方で、取り崩し候補のうちいちばん利回りの低い資産と比べています。取り崩せる低利回りの資産がない場合は、効果額のかわりに年間の利息額を示し、新しく入ってくるお金を返済に優先する考え方をご案内します(原資がないまま効果額を示すことはしません)。
- 総評の状態判定:自己資本比率20%・60%/実質の純資産利回り1%・3%/人的資本の比率20%・40%/年金の比率15%・30%
- 生涯のバランスシート:割引率のプリセット(人的資本 会社員1.0%・自営業3.0%/年金0.5%/支出0.5%)、引退後の生活費の割合80%
- 一生涯の推移の図:金融資産は「税引後の利回り − 物価上昇率」で増やし、毎年の収支(引退前は手取り年収 − 生活費、引退後は年金 − 生活費)を足し引きしています。実物資産は残高が動く率だけを使い、自宅は資産価値の変動率のみ(帰属家賃は生涯の住居費が維持費だけで済む形ですでに反映しているため、ここでは足しません)、自動車と投資用不動産は種類の利回りを当てています。借入は残り年数を入れたものだけを年1回払いの元利均等で減らし、返済のうち元本のぶんだけを金融資産から引いています(利息を引かないのは、生涯のバランスシートの経済的純資産と数字を完全に一致させるためです)。教育費は総額を引退までの年数で均等に割り振っています。金融資産がマイナスになる年以降は0として描いています。
金額はすべて概算で、税・社会保険料の細かな取り扱いや個別の契約条件までは反映していません。実際の判断にあたっては最新の公表資料と、必要に応じて専門家への相談とあわせてご検討ください。